ときどき文化

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新緑に映えるイケメン

京都三大祭りのひとつといわれる葵祭

これまで気になりつつも、見に行ったことがありませんでしたが、せっかくブラブラしているのだし、見に行くなら、今。今しかないのではないか?
‥と思い立ち、電車を乗り継いで出かけました。

京都御所や神社は混雑しそうですが、地下鉄の北大路駅に近い、加茂街道という道ぞいは木陰があって涼しく、混雑具合もほどほどとの情報を得て、そちらへ。

この日の京都は快晴に恵まれ、最高気温は26℃。夏日です。
平安時代の装束に身を包んだみなさん。
「いや~暑いですな~、こりゃかないませんな。(まぁ、この辺りは木陰があるからマシですな)」という声が聞こえてきそう。

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ご一行は午前中に京都御所を出て、下鴨神社へ。そこでいろいろな儀式を執り行い、上賀茂神社に向かってこの街道を通ったのは、午後3時ごろ。

そろそろ人も馬も疲れが見え始めたころで、
駄々をこねる馬も。

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立ち止まって何かを訴える馬と、なだめる人。

このように機嫌を損ねる馬が何頭かおり、そのたびに行列が立ち止まり、でも誰も追い立てたりなどしない、みやびやかな行列です。

この加茂街道は鴨川沿いの道で、視界を遮る建物などもありません。王朝時代もかくやと思われる情景が続きます。

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そして、新緑にイケメンが映えます。

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したたり落ちる緑と、五月晴れの空と、イケメン in 平安装束。
これ以上の取り合わせがあるでしょうか。


誤解のないようお伝えしておきますが、私はイケメン目当てにここに来たわけではありません。
今日のめあてはこのお方です。

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屋根の陰にかくれて、お顔がはっきり見えないのも奥ゆかしい。
斎王代(さいおうだい)さまです。

のんびりと行列を眺めて楽しめればよいか、と考えて見物していたのですが、
ここで、私の中の何かのスイッチが入りました。

そうです。追っかけです。

はっきりとお顔の見えない斎王代さまを追い、見物する人々の後ろを駆け、斎王代さまを追います。斎王代さま、一目、せめてもう一目‥

‥そして、気づいたら上賀茂神社に到着していました。

斎王代さまはすっかり見失っていましたが、一の鳥居の外に女人列(にょにんれつ)のみなさんが勢ぞろい。

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まるでお人形さんが並んでいるよう。
しかし、25℃を超える夏日にこれだけの着物を着て歩くのは暑いにちがいありません。

その後、気づいたら入場料を払って有料観覧席に向かっていました。
何が行われるのかわかりませんが、間近で見ずにいられません。

二の鳥居の中に入っていく女人列のみなさん。この先、一般の観客は入れない区域となります。

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いろいろな儀式が、鳥居の向こうで執り行われていきます。

親切にも儀式の説明がアナウンスされるのですが、今一つ理解が及ばず‥  古式ゆかしい様子に眺め入るばかり。

最後のほうでは走馬の儀(そうまのぎ)というものがあり、一の鳥居から二の鳥居に向かい、六頭の馬が騎手をのせて走ります。
落馬のアクシデントもありましたが、最後まで執り行われました。

このあと境内にてお参りし、神社を出たのは午後7時近く。儀式の余韻にひたりながら、帰途につきました。