古い建物 ぶらぶら
大阪の淀屋橋から北浜界わいは、古い建物が所どころに残っていて好きなエリアです。
大通りより中の方に入って歩き回ることはあまり無かったんですが、思わず足をとめて見入ってしまう建物が点在しているのですねぇ。
淀屋橋駅の11番出口の階段を上がると、すぐ目の前にあらわれるビル。
立派なものだな。
ビルの名は ”芝川ビル”
昭和2年(1927年)に建てられたそうです。
そばに寄って、見上げてみます。
ううむ、美しい。装飾も凝っている。
ヨーロッパのどこかの模様かなと思いきや、意外や南米のマヤ・インカ文明のものだそうです。
昭和2年にですか。ワールドワイドですね。
ビルを建てたのは、芝川又四郎という人。
ご先祖が海外の物を輸入する仕事をしていて、又四郎さんも海外に興味をもち、南米にも出かけていたそうです。
なんかわかりませんが、おしゃれです。
芝川ビルを通りすぎ、少し南へ下ると、木造建築が目にとまります。
なんの建物だろう。
玄関を拝見しますと、
大きく「薬品」と書かれた文字の下に、
動物用医薬品、農藝用薬剤・・
こういう商いもあるのか。
住所は道修町。くすりの町です。
蔵のほうも拝見してみます。
段ボールが山積みに‥。
蔵も、本来の目的のまま使われてるのですね。
こちらの会社は250年以上前の創業(1763年)。
近くに近代的なビルも建てているんですが、創業時に建てられたこの町家を、今も本社として使用しているようです。京都とかでは珍しくありませんが、大阪のこの辺りでは珍しい気がする。
しばらく道修町通をてくてく歩いていくと、また少し古そうな、大きなビルが。
こちらが入り口かな。
武田科学振興財団
杏雨書屋
(きょううしょおく)
はて、杏(あんず)の雨 とは?
なんでも、あんずの種にはセキ止めなどの薬効があるそうですね。いいお医者さんのことを杏林(きょうりん)という呼び方があり、その杏林をうるおす雨、という意味があるみたいです。
医書の資料館で、国宝の資料も所蔵しているとのこと。コロナのため臨時休館中ですが、再開したら見てみたい。
道修町通を少し引き返し、北へ向かうと印象的な近代建築が2棟つづいています。
手前の赤レンガの建物は、東京駅や大阪市中央公会堂を設計した建築家・辰野金吾の事務所による設計とのこと。「なるほど~」という気が‥。
こういう建物とひょっこり出合えるのはうれしい。
もとは生命保険会社のビルだったようですが、今は結婚式場として使われていて、「オペラ・ドメーヌ高麗橋」という建物名になっています。
明治45年(1912年)の建築。
お隣の白っぽい建物は、教会です。
日本基督教団
浪花教会
よいなー。
昭和5年(1930年)の建築です。
今も建っていてくれて、ありがとうという感じです。
さて急ですが、夜になりました。
この道(三休橋筋)をまっすぐ北へ向かうと、川の向こう側に大阪市中央公会堂が見えてきます。
正面からの眺めが華やかですが、この方角からの眺めもええなぁ。
ライトアップもカッコよろしいです。
老朽化のため一時は取り壊しの危機もあったようですが、市民の反対活動で永久保存・再生となったのですね。残してくれて、本当によかった。
そのようなわけで、つまるところ、都会のうるおいスポットはありがたい、という話でした。また、気ままに歩きたい。