きょうは臨床美術
前回の園芸療法にひきつづき「アートとこころのケア講座」で、臨床美術の体験に行ってきました。
講師は(株)フェリシモでチョコレートバイヤーをするかたわら、臨床美術の活動をされている 木野内 美里さんという方です。
今回は2種類のワークショップ体験をさせてもらいました。
プログラム自体に著作権があるとのことで、手順は詳しく書けませんが、自分の描いたものをアップするのはOKとのことです。
定期券サイズの黒い紙に描いています。これは自分でも気に入りました。
絵のタイトルは、『ゾウリムシの宇宙』
通常であれば参加者同士でペアになって、お互いに描いたものの「ホメ合い」をするそうですが、今回は先生によるお褒めで替えられました。
もう一つは、やっぱり抽象っぽいのです。
なんじゃこりゃ
名前のつけようがないと思ったんですが、・・あっ、これ、原始の海で生命が誕生した瞬間って、こんな感じとちゃうか、と思いました。
いん石とか雷とか熱水とか・・なんか、ガスみたいなのも発生してるし。‥あっ、もしかしたら、超新星爆発とかいうやつも、こんな感じなんちゃうん。
ちなみに描いたものに題名をつけるのは活動には入っていなくて、私が勝手にやっています。
画材はオイルパステルというものを使ったんですが、紙の上で混色できるのが、えらい楽しかったです。
(指先で混ぜるので、指もいろんな色になります)
臨床美術はもとは認知症の予防や改善のために開発されて、今は子どもや高齢者、社会人など、いろいろな人を対象にワークショップをされているそうです。
私はこの日はじめて参加しましたが、30名ほどの参加者全員の絵を高いテンションでほめまくっていた先生のエネルギーが、ものすごかったです。
(必死で描いて、「人前でほめられる」ところまでがパックなんだそうです)
体験してみて、私には何か日常的に、こういう活動って大事な気がしました。自分のヘンな部分が出てくるというか・・。いちおう常識的にふるまおうと努力してる(つもり)だけど、言われるままに描いていると「なんでこんなものが」と思うものが出てきて、それを必ずほめてもらえるという、変な活動。
先生がいっしょうけんめい宣伝もされていたので、体験説明会のリンクをはっておきます。3月にも神戸で体験会がありますが、今回私が受けたものとは別の内容になるそうです。
通信講座もいろいろあるみたいです。なかなか楽しそうやな‥。
↓
脳がめざめるアートプログラム|絵画・アート|全講座一覧|自宅でできる大人の習い事・お稽古・趣味のレッスン講座|ミニツク(趣味と自分磨きの通信講座)
アートとこころ 園芸療法
「アートとこころのケア」という講座(全4回)に参加してみています。兵庫県にある「こころのケアセンター」での講座で、園芸、絵画、音楽などの芸術療法について、体験もまじえて知ることができるとのこと。
先日は園芸療法の回で、講座の前半は「園芸療法とは?」についてのお話。後半は植物を使って、かんたんな体験をさせてもらいました。
例年だとグループで寄せ植えなどもするそうなんですが、今年は感染予防のため、それはなし。
机のうえに配付されていたのは下のような葉っぱ類と、スタンプパッドです。
ヤツデの実、南天、ゼラニウム、キクの葉
下は作業途中のようすです
いや~、これは楽しい。
童心にかえって熱中してしまう。
これだけでも十分楽しいんですが、ここは「アートとこころのケア講座」なので、
(人を癒すために)自分を知る、という流れの中でしています。
「これからの自分の物語を考えてみましょう」
(何にたのしみを見出したいか、どんな仕事がしたいか、など)
というお題をいただき、考えたことを言葉で書いて、葉っぱのスタンプでもそれを表現するという流れ。
実際にやってみて、自分の望みってかなりシンプルだな・・ということが確認できたのはよかった。
そういう目的でなくても、これで便箋とか作っても、ふつうに楽しそうです。
美術館 建設記録
大阪中之島美術館(2022年に開館予定)の建設のようすを記録した映像が、オンラインで配信されるみたいです。
めずらしいですね、こりゃ。
↓
京阪電車 なにわ橋駅|アートエリアB1|ラボカフェ|「ビルダーズ/工事記録に見る都市再考 〜大阪中之島美術館〜」
建築家、構造家(?)によるトークもあるみたいです。おもしろそう。
配信日時は2月9日(火)18:30~20:00 ですが、後からでも視聴できるようです。
・・・
美術館を設計した建築家(遠藤克彦さん)のお話は、ぜんぜん別の場所で聞いたことがあります。
2年前、京都で開かれていた写真フェスティバル KYOTOGRAPHIE(キョウトグラフィー)のボランティアで店番をしていたら、展示デザインを担当された遠藤氏が来られたのでした。内覧会の日で、デザインの意図やなんかのお話を拝聴できました。
この展示が行われていたのは建仁寺両足院。ふだん非公開の庭も見ることができて、だいぶお得感があります。
解説の中で、「雨の日がいいんですよねぇ・・」というようなことをポロっと話されてたんですが、本当にそう。
展示されている写真の貝とかサンゴみたいなのとかが、雨の日はイキイキして見えるんですよねぇ。本当に生きているみたいに。
それにしても過去の写真を見ていると、コロナ前のことが、遠い昔のべつの国のことのように思えます。
コロナ、飽きたな‥。ノーモアコロナ・・
古い建物 ぶらぶら
大阪の淀屋橋から北浜界わいは、古い建物が所どころに残っていて好きなエリアです。
大通りより中の方に入って歩き回ることはあまり無かったんですが、思わず足をとめて見入ってしまう建物が点在しているのですねぇ。
淀屋橋駅の11番出口の階段を上がると、すぐ目の前にあらわれるビル。
立派なものだな。
ビルの名は ”芝川ビル”
昭和2年(1927年)に建てられたそうです。
そばに寄って、見上げてみます。
ううむ、美しい。装飾も凝っている。
ヨーロッパのどこかの模様かなと思いきや、意外や南米のマヤ・インカ文明のものだそうです。
昭和2年にですか。ワールドワイドですね。
ビルを建てたのは、芝川又四郎という人。
ご先祖が海外の物を輸入する仕事をしていて、又四郎さんも海外に興味をもち、南米にも出かけていたそうです。
なんかわかりませんが、おしゃれです。
芝川ビルを通りすぎ、少し南へ下ると、木造建築が目にとまります。
なんの建物だろう。
玄関を拝見しますと、
大きく「薬品」と書かれた文字の下に、
動物用医薬品、農藝用薬剤・・
こういう商いもあるのか。
住所は道修町。くすりの町です。
蔵のほうも拝見してみます。
段ボールが山積みに‥。
蔵も、本来の目的のまま使われてるのですね。
こちらの会社は250年以上前の創業(1763年)。
近くに近代的なビルも建てているんですが、創業時に建てられたこの町家を、今も本社として使用しているようです。京都とかでは珍しくありませんが、大阪のこの辺りでは珍しい気がする。
しばらく道修町通をてくてく歩いていくと、また少し古そうな、大きなビルが。
こちらが入り口かな。
武田科学振興財団
杏雨書屋
(きょううしょおく)
はて、杏(あんず)の雨 とは?
なんでも、あんずの種にはセキ止めなどの薬効があるそうですね。いいお医者さんのことを杏林(きょうりん)という呼び方があり、その杏林をうるおす雨、という意味があるみたいです。
医書の資料館で、国宝の資料も所蔵しているとのこと。コロナのため臨時休館中ですが、再開したら見てみたい。
道修町通を少し引き返し、北へ向かうと印象的な近代建築が2棟つづいています。
手前の赤レンガの建物は、東京駅や大阪市中央公会堂を設計した建築家・辰野金吾の事務所による設計とのこと。「なるほど~」という気が‥。
こういう建物とひょっこり出合えるのはうれしい。
もとは生命保険会社のビルだったようですが、今は結婚式場として使われていて、「オペラ・ドメーヌ高麗橋」という建物名になっています。
明治45年(1912年)の建築。
お隣の白っぽい建物は、教会です。
日本基督教団
浪花教会
よいなー。
昭和5年(1930年)の建築です。
今も建っていてくれて、ありがとうという感じです。
さて急ですが、夜になりました。
この道(三休橋筋)をまっすぐ北へ向かうと、川の向こう側に大阪市中央公会堂が見えてきます。
正面からの眺めが華やかですが、この方角からの眺めもええなぁ。
ライトアップもカッコよろしいです。
老朽化のため一時は取り壊しの危機もあったようですが、市民の反対活動で永久保存・再生となったのですね。残してくれて、本当によかった。
そのようなわけで、つまるところ、都会のうるおいスポットはありがたい、という話でした。また、気ままに歩きたい。
皆川明の世界
「ミナ ペルホネン / 皆川明 つづく 」展(兵庫県立美術館)を、会期終了まぎわに観に行ってきました。
エントランスに、クッションが敷き詰められています。その数、約330個。
てっきり手で触っていいものだと思って、触りまくってしまいました。すみません。(汗)
ミナ ペルホネンはファッションブランドの名で、皆川明さんはブランドを立ち上げたファッションデザイナーです。
こちらは、洋服の森
ブランド設立以来、25年間でつくられた服 約390体が展示されています。
中には、こーんなコートですとか
このようなジャケット&スカートですとか
服の形も可愛らしいんですが、生地がもう、素敵で・・
生地のデザインも、皆川さんが手がけられています。
生地のデザイン原画と、それをもとにつくられた生地が並んだ展示も興味深い。
たとえばこちらの原画は、
(おサルさん?)
布になると
このような感じ。
刺繍や織りなど、名前の出ない職人さんの仕事もまた素晴らしいのだろうな。
こんなに素敵なデザインや服づくりをされている皆川さんですが、裏の顔(ということもないけど)がまた、すごいです。
●挿絵の世界
皆川さんは挿絵も描かれるそうで、新聞の連載コラムの挿絵が紹介されているんですが
(展示ケースの境目が写りこんでいます)
こちらの挿絵のタイトルは『石の話』。
たしかに、彼らは会話している・・(ような気がする)。
私は「石どうしの会話」と思い込んで見ていましたが、「石についての話」という意味だったのかもしれません。
こちらのタイトルは『ヒツジカゲ(羊影)』
絵も、タイトルのセンスも、好きやなー。
タイトルは『これからの今』。
たしかに、こんな形になっている気がする。
カバンにプリントするイラストの原画も展示されていました。
あの素敵な服のデザインをする人が、この絵を・・。
いや、これはこれで素敵なんですが、素敵の方向性がまるきり違うというか。
(意外なような、でも、なんか分かるような)
上の原画をもとに出来上がったカバンがこちら
これは、原画の方がいい気がする。
そのようなわけで、オモテの顔もウラの顔も、刺さる展示でした。
展示は11/8(日)で終了となりますが、
ミナペルホネンのショップは、京都にもあるんですね。(買うのはお高いのだろうな)
こういう服をつくる人生というのが、ちょっぴり(かなり?)うらやましい気がします。