印象派との対話
ハイハイどうも~
よってらっしゃい、見てらっしゃい
ここの腕の動きは、こうよ
あら、そうなのね
やっぱりいいわね、劇場は
それにしても・・ さっきから上の方ばっかり見てるわね、この人
そっちは舞台じゃなくってよ
観劇できる身分の人はいいわね
しつこいわね・・ この山高帽
好みじゃないのよ、あっちへ行ってよ
・・・
と、いろいろ想像するのも楽しい「コートールド美術館展」(神戸市立博物館)
残念ながら開催延期になっています(3/29現在)が、豪勢な顔ぶれです。
ぜひぜひぜひぜひ、早い目の収束を!(T_T)
★インターネットミュージアムに展示レポートが掲載されています
神戸市立博物館「コートールド美術館展 魅惑の印象派」 | インターネットミュージアム
くまの えんそく
きょうは 電車で おでかけするの
うれしいなぁ
電車のなかでは おぎょうぎ よくしてね
うん、わかったよ
がたん がた~ん ごとん ごと~ん
むむっ このたいせいは きつい
うでが つりそう
ふぅ・・ やっと ついた
ややっ ここは、どこ?
うめだ~ うめだぁ~
ドアに ごちゅうい ください~
さぁ、ついたわ 車内せいそうよ
がらすを ぴかぴかに しましょう
それにしても・・ あのひと 何かしら
さっきから わたしたちのこと、ぱちぱち撮ってるの
ま、いいか・・
ランチは何に しようかしらね
・・・
「えほんトレイン ジャッキー号」
こんなかわいいのん、やっていたんですねェェェェェ (*´ェ`*)
3月31日(火)までだそうです。
本当は心あたたまるストーリーです。
(すみません、ついこんな風に・・。)
ディオールの宴
「ディオール、パリから日本へ」展が、大阪・阪急うめだ本店で開かれています。
華やかなり。
刺繍入りラフィア ジャケット&ショートパンツのセットアップと桜の刺繍入りチュールスカート
/マリア・グラツィア・キウリ(2017年 春夏 オートクチュール)
桜の花に覆われたジャケット。
かっちりとした織り生地の素材は、ラフィアというヤシの葉の繊維らしいです。
ジャケットの下のほうに刺繍されている文字は、《ジャルダン ジャポネ》(日本庭園)。
そのお隣のコートです。
花柄の刺繍入りラフィアコート/マリア・グラツィア・キウリ(2017年 春夏 オートクチュール)
裾のほうを見ると、
絨毯か、厚手のカーテンみたい。・・ですが、意外にも先ほどと同じ、ヤシのラフィア製。
夏物の帽子や、カゴによく使われる素材のようです。
トワル(2018秋冬 オートクチュール)
シンプルな白いドレス。
コットンでつくられた仮縫いですが、これはこれで完成されている感じがします。
「一体、どこで着るんだろう」と思う服も。
《GIA-CIA-ME-SAN》刺繍入りグリーンシルクイブニングコートと刺繍入りパープルシルクドレス/ジョン・ガリアーノ(2007 春夏オートクチュール)
舞台衣装みたいですね。
歌舞伎の舞台に上げたい。
次の展示スペースでは、カバンや靴、帽子や現代アートも紹介されています。
シルバーリベット付きフェルトハット(2008 秋冬オートクチュール)
この帽子、かわいいな・・
(どちらが前で、どちらが後ろか、わかりませんが‥)
360度、ぐるっと回って見ましたが、どこにも生地の継ぎ目が見当たらない。
うまいこと成形できるもんですね。
最後の展示スペースでは、制作工程が映像などで紹介されています。
あの高価そうなバッグ、こんな風に作られているのか〜と、新鮮。めっちゃ手仕事です。
・・・
展覧会は3月22日(日)まで開催されています。(入場無料)
なんやかんやで、しぼみがちだった気持ちがうるおいました。
見るだけで幸福です。
浅野竹二展
伊丹市立美術館(兵庫県)で、「浅野竹二 版を奏でる」展が開かれていました。
かわいいなーと思い、最終日に行ってきました。
木版画です。
こちらは《露店の女》。
売っているのはべっこう飴か、風車か・・
《夜のサキソホン》
楽器と一体化してます。
作者の浅野竹二さんは1900年(明治33年)京都生まれ。なくなったのは1999年と、ほぼ、まる一世紀を生きた人。
初期には写実的な作品もあり、写生も達者でしたが、作品はどんどん、どんどん単純化されていって、80~90才代には、丸や直線などで構成される抽象の世界に入っています。
上の作品3点は、70~80才代にかけてのもの。
好きな道で変化し続けられるというのはいいな、と思います。
展覧会のちらしは4パターンありました。
これは・・ 4枚で春夏秋冬になっているのかも。
こちらは、たぶん春。《鳥と大地》(1977)
《人魚》(1969)は夏で・・
《食卓の猫》(1978)は秋
(猫がくわえているのは、きっとサンマ)
これは冬。《羽ばたく鳩》(1968)
作品の楽しい気分が伝わってきて、ホッコリします。
いろんな催しが中止になる中、ここは平常通りで、こういう展示を観ることができて、ちょっとホッとしました。
脳とわたし
最近、脳科学者の中野信子さんの本を読んでいます。
本の名は、ずばり「キレる!」というもの。
日本では「怒らない人がいい人」という考え方があって、そういう教育がされているけど、怒りは自分を守るために備わっている大切な機能だから、怒りを相手に伝える ”型” を知るべき。
‥ということが、脳科学の視点から説かれています。「こういうときは、こう切り返すとよい」という実例付き。
たしかにこの世知辛い世の中、不当な扱いを受けたらサッサと逃げるなり、切り返すなりしないと、どこまで不利益を被るかわかったものではありません。猛獣のうろつくサバンナに丸腰で出かけるようなものです。
著者の中野信子さんは、あるラジオ番組で、高校生に「キレるワークショップ」をやりたいとも話されていました。もちろん感情にまかせてぶち切れるのではなく、効果的にキレる方法を学ぶワークショップです。できれば、そういうことを学ぶ機会のなかった大人にも是非…と思います。
脳と瞑想
最近はマインドフルネスという言葉もよく聞きます。先日、NHKのラジオ番組で、僧侶で精神科医の川野 泰周(たいしゅう)さんという方がマインドフルネス瞑想についてお話しされていました。(最近、ラジオとお友達です)
●2月13日(木)放送 瞑想(めいそう)の医学
瞑想というとちょっとつかみどころのないイメージですが、先の中野さんと同様、脳科学的な根拠に基づいてお話しされていて、えらい納得しました。
現代の人はマルチタスクに追われていて、脳のある部分を過剰に働かせているのですが、瞑想はその部分を休ませることができるのだとか。
今、この瞬間ではないこと(過去にしてしまったこととか、悩みなど)を考えるのも、脳のその部分(前頭葉の内側と扁桃体)を同時に使うことになり、しかもネガティブな感情が乗っかるため、たいへん脳が疲労しやすいのだそうです。
具体的な瞑想方法(自分の呼吸に意識を向ける)についてもお話されていました。
私自身はすぐに雑念がわきあがってきてしまうので、瞑想は向いてないと思っていましたが、この方法なら試せそうです。(呼吸瞑想 などのキーワードで検索すると、いろいろ出てきます)
(本文の内容とは全然関係ないですが、梅です。)
初訪問 福田美術館
昨年(2019年)の秋、京都の景勝地・嵐山に、こつ然と美術館が現れました。
渡月橋と嵐山を一望できる超一等地に、日本画の大家の作品がずらりと揃っていて、「えっ、いつの間に、誰がつくったんですか?」という唐突さです。(自分が知らなかっただけなんですが。)
その福田美術館で、「美人のすべて」という美人画の所蔵品展が開かれています。
(会期:2020年1月29日~3月8日)
最初の展示室(ギャラリー1)では、上村松園や鏑木清方など、近代のコレクションを中心に紹介されています。
訪問した日は休日とあって、なかなかの人出でした。
上の写真の真ん中あたりに写っているのは上村松園の作品《姉妹之図》(1903年、明治36年ごろ)です。
松園さんの作品を観る機会はこれまでも何度かありましたが、今回は初めて目にする絵ばかり。
《浴後美人図》(1900年、明治33年ごろ)
目元の優しい、ふっくらとした顔。なんとも可愛いです。
《浴後美人図》、松園さんが25才ごろの作品です。
おもしろいなぁ~と思ったのが、下の《雨を聴く》という絵。
(あら、降りだしたのかしら‥)
描かれているのは、着物姿の女性だけ。ところが《雨を聴く》という作品の名を頭において見ると、「ざぁーーっ」という雨音が聞こえてくるようなのですよ。湿度や室内の様子まで想像させて、見飽きません。
おさえた色合いの上の2点とは対照的に、いわゆるインスタ映えしそうなのが、山川秀峰という画家による《振袖物語》という作品です。
写真の左側で流し目を使っている人は、顔だけ見ると女性のようにも見えますが、男性です。その彼を切なげに見つめたり、顔を覆って泣いたりしているのは、彼に恋焦がれる女性たち。
明暦の大火(1657年)にまつわる逸話をもとに100年前に描かれた絵ですが、ちょっと少女マンガ的というか、現代のイケメンと熱狂的なファンの女性たちとそう変わらないような気がします。
二つ目の展示室(ギャラリー2)では、江戸時代から近代にかけての美人画の変遷が紹介されています。
(文字通りの意味で)線の太い美人の姿も。
《立美人図》18世紀 長陽堂安知(ちょうようどう あんち)作
友人は、「マツコ・デラックス」と命名していました。
見た目だけでなく、キャラ的にもマツコさんに似ているのではないかと思わせます。
時代が下り、明治末期の作品には現代的な美人も現れてきます。
《花見》 西山翠嶂(にしやますいしょう)1909年(明治42年)
手前の女性に注目すると、
二重まぶたのくっきりとした瞳。時代の変化を感じます。
ところでこの展覧会でも、写真撮影OKの作品が多くて驚きました。「えっ、いいんですか、本当に撮っても?」と、挙動不審になりそうです。
SNSの隆盛は、絵画鑑賞のルールを変えつつありますねぇ。
ただ実際に撮っている人はそれほど多くはなく、撮る人もみなさん鑑賞者ファーストで、快適に観覧できました。
・・・
最後に、美術館の建物と庭を少しご紹介します。
下は、一面ガラス張りの廊下から外を眺めたところ。
手前は庭、奥には嵐山と、ふもとを流れる川。右手に写っている建物の1階は、館内に併設されているカフェです。
借景が素晴らしすぎるカフェですから、時期によってはどれだけ長い行列ができることか、想像するのもおそろしい。ただ、今の季節(2月中)は落ち着いているのではないかと思います。
広い庭には「建物の広さを犠牲にしても、周りの風景と溶け合うようにしませんとナ。」という感じの、京都人の気概が感じられます。
2月の嵐山は他の季節に比べると人が少なく、ねらい目かもしれません。桜も紅葉もありませんが、梅は咲いております。
イリュージョン、鷹匠
また大阪城公園に行ってきました。この日のめあては、イリュージョンミュージアム(ミライザ大阪城 地下1F)です。
ここで見られるのは、手品の歴史や小道具、タネ明かしのような映像資料や実演(イリュージョンショー)など。
ショーの客席は50席と芝居小屋のような雰囲気。かぶりつきの席を陣取り、目を皿のようにして鑑賞しましたが、当然タネを見破ることはできず・・カードや人体浮遊、人体切断などむかしからあるような手品でしたが、不思議やな・・
この日はJR大阪城公園駅で電車を降りてイリュージョンにたどり着くまでに、けっこう上手いバンド演奏、プロの大道芸など、数々のトラップに足止めされました。
とどめは鷹です。
なにげなく柵にとまる鷹。右側奥に居るのは、ハヤブサです。
哀愁のただよう背中‥ 何を思っているのか。
羽をひろげた姿が、やはりカッコよろしいです。後ろに見えるのは青屋門。
鷹匠のおじさんが鷹を放し、近くの木にとまらせた後「うオ~イ!!」と、独特の呼び声で呼ぶと、鷹がものすごい低空飛行で戻ってきます。(見るのに集中しすぎて、写真は撮れず。)
現代の鷹匠さんには、害鳥駆除(追い払い)などの需要もあるのだとか。
なぜ大阪城に鷹を連れてきているのか、鷹って誰でも飼えるのか、いろいろナゾが沸き上がってきましたが、鷹匠は人間と話すよりも鷹と語る方が性にあっているのか、言葉少なな印象。でも、ええもん見せてもらいました。わきあがったナゾの数も、イリュージョン並みです。